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素敵なあなたと出会う瞬間を・・・
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ソープの入店講習を受けた時に、あたしはある種の違和感を持った。

例えば、

「ご挨拶は三つ指ついて」だとか、

「客より目線を高い位置に置いてはダメ」だとか、

「移動する時はいつも膝をついて移動する」だとか、

「一瞬でも客にお尻を向けちゃダメ」だとか、

「お客様はお殿様、自分はしもべ、くらいのつもりで」だとか、

「正しい日本語で丁寧すぎるくらいの丁寧語で話しなさい」だとか。


ま、理解できることもあるんだけれど、冷静に考えてみると、

あたしは床を這いずり回り、常に客を下から見上げ、殿の尻をついて回るのだ。

あたしってば、思わず訊いちゃったもの、講習のおねぃさんに。

「それって・・・無様でないですか?」

そしたら、こんな風に返ってきた。

「それをね、優雅な振る舞いで行うのよ」

「優雅っつってもねぇ・・・」

「こんな風に・・・」 (おねぃさん実演)






・・・・・優雅だった。



「はじめは膝にあざが出来たり、黒ずんだりするかもしれないけれど、

オシゴトやめたら、消えるから大丈夫」

なんて風になだめられても、ねぇ。

あたしが言いたいのは、今時もそんなサービスを客が求めてんのか?というところ。

(当時のあたしは、ソープランドの基礎知識すらない無知なアホだったのだ)

そんな風に訊いたら、

「そうよ、こんな時代だから余計よ。お客様は社会で虐げられてるかもしれないし、

お殿様のように、大切に大切に扱われたいのよ」

「そうですかねぇ」

「それに、ここのお店は、ご年配のお客様が多いからね」

「はぁ」

無理やり納得させられた感じで講習を終えた。


今でも新規客の場合は講習の基本に忠実に行うけれども、

指名客と対戦してるあたしを見たら、講習のおねぃさんは泣くはずだ。


タメ口で話した方が親近感湧くから、そんなお得意さんにはタメ口だし、

面白い客の背中はバンバン叩くし、

M男くんは床に四つん這いにさせてヒールで踏み潰してるし、

裸体の首にネクタイ巻きつけて犬のように引っ張りまわしたりもしてるし。


ま、無駄に発育した適応能力ってヤツが、暴れてるだけのあたしだよね。


そういえば、あたしの店には隠しカメラが設置されてると噂されてるけれど、

だったらとっくにあたしはオシオキくらってるはずなんだけどね。噂は噂止まりか。



上記記事抜擢。

想像以上に辛いお仕事ですよね。
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